日陰に入ると少し肌寒さを感じる6月のある日。世間は新型コロナウィルスという未知の脅威が世界中を恐怖で支配している。
小学生向けのプログラミング教育の事業の運営も小学校の相次ぐ休校や世の中の自粛でどうしようとすることもできない。今日は13時半から銀行との融資についての商談がある。
そのため徹夜で説明資料を作成していたので資料を常務と確認の電話をしている時のことだった。
「ガチャ・・ガチャ・・・・ガチャガチャ・・・・」
玄関から音がする。なんだろう。同じマンションの住人が部屋でも間違ってドアを開けようとしているのか?それにしても乱暴な人だな。
「内川常務、玄関から物音がする。電話中に申し訳ないが見てくるから待っていてほしい。」
リギングから玄関までそっと移動し、覗き窓から玄関の外を見た。すると髪の短い男性と後ろに2名男性が立っていて、その隣に女性が1名いるのが見えた。全員運動着のような軽装だ。
「この人達は住民じゃない。誰だかわからないが家の鍵を開けようとしている」
そして次の瞬間ガチャリと鍵が開き、勢いよくあいたドアから髪の短い男性が家に入ってた。次々と後ろに立っていた男