事実は小説より奇なり

#1 予期せぬ来客

日陰に入ると少し肌寒さを感じる6月のある日。世間は新型コロナウィルスという未知の脅威が世界中を恐怖で支配している。 小学生向けのプログラミング教育の事業の運営も小学校の相次ぐ休校や世の中の自粛でどうしようとすることもできない。今日は13時半から銀行との融資についての商談がある。 そのため徹夜で説明資料を作成していたので資料を常務と確認の電話をしている時のことだった。 「ガチャ・・ガチャ・・・・ガチャガチャ・・・・」 玄関から音がする。なんだろう。同じマンションの住人が部屋でも間違ってドアを開けようとしているのか?それにしても乱暴な人だな。 「内川常務、玄関から物音がする。電話中に申し訳ないが見てくるから待っていてほしい。」 リギングから玄関までそっと移動し、覗き窓から玄関の外を見た。すると髪の短い男性と後ろに2名男性が立っていて、その隣に女性が1名いるのが見えた。全員運動着のような軽装だ。 「この人達は住民じゃない。誰だかわからないが家の鍵を開けようとしている」 そして次の瞬間ガチャリと鍵が開き、勢いよくあいたドアから髪の短い男性が家に入ってた。次々と後ろに立っていた男
4 min read
News

#2 グレーのトレーナー

僕は、警察官の間に挟まれるように車の後部座席に座るように指示された。 頭の中は真っ白である。 一体何が起きているのか?悪い夢なら覚めてほしい。今後どうなるのか? 何もわからない。 その後、家から三田警察署への間が、とても長く感じたが到着した。警察署の中に入ると、自分の知らない警察署のようだった。 地下に誘導され廊下を進むと、とても頑丈な大きな扉があり、その前で、壁の方を向いていろと指示があった。そして大きな掛け声とともにその扉が開く。 扉が開くと、違う警察官がいて、近寄ってきて話をしてきた。 「私は、皆さんのお世話係です。刑事ではないので安心してください。」 その後、小さな部屋に誘導され洋服を着替えるように指示された。 テレビで犯人が逮捕されたというニュースで見たことあるグレーのスウェットがおいてあった。グレーの上下のスウェットと靴下が用意されていた。四田とマジックペンで大きく書かれた洋服。センスのかけらもない。 警察官の前で全裸になりそのスウェットに着替えるのだが、ゴリラみたいな警察官に下半身をジロジロみられて気持ちが悪い。しかも僕は、アンダーへアを脱毛しているから
5 min read